歯科の診断?2
前回に続いて 歯科の診断についてもう少し補足してみます。
歯並びやかみ合わせを 原因ではなく結果ととらえると述べました。それは
歯並びが悪いと虫歯になりやすいとか かみ合わせが良くないから頭痛がする、
肩がこるということで、歯列矯正をする、頭痛 肩こりを治すために
かみ合わせを変える治療をするという考え方をしないということです。
歯列矯正をして術前より食べにくくなったとか、
(歯列矯正治療が悪いと言っているのではありません)
かみ合わせ治療をして術前より悪くなったりする話も聞きます。
歯並びやかみ合わせは、その人が朝起きてから
どのように身体を使って生活をしているか? よく歩いているのか
ほとんど歩かないのか いつも動いているのか ほとんど座って動かないのか
食事はどんなものをたべているのか 咬む回数は多いのか少ないのか
間食をするのか 毎日お酒のつまみにかわきものを食べているのか
パンが好きか ごはんが好きか 寝るときはせんべい布団か
ふかふかのベットか まくらは高いか低いか 睡眠時間は長いか短いか
何か特定の運動をしているか 休日はほとんど家にいるかetc 等の結果の歯並び
かみ合わせであり、基本的にその人の生活習慣が変わらなければ
歯並びやかみ合わせを変えるべきではないと考えます。
口の中の所見で結果としての様々な左右差が見られます、
歯並びやかみ合わせ、あごの関節の動き方、骨の形etc しかし、歯科の世界では
これらの左右差はほとんど認識することなく、逆に左右対称に歯並びも
かみ合わせも作っていく傾向にあります。
その左右対称の歯並びやかみ合わせに身体が合わせられるかというと、
無理があると思います。
やはり口の中も身体の一部であり、身体全体がつながっているため、
からだの個性、使い方の個性が口の中にも作用するという考え方が自然ですし、
また多くの患者さんの症例から様々な因果関係が見られ口の中との関連を
実感しています。それなので、教科書的な左右対称な一見キレイな形を
ゴールに設定してすべての患者さんをそこに集束させるのではなく、
いかに個人差を診断して治療に反映させるかが大事ではないかと考えます。