前回 歯周病の4つの原因の1つ目プラークコントロールについて述べました 今回は2番目の原因である過剰な力を考えます。
そもそも力とは、自分の歯に加わる力の事で、食べ物を咬んだり、運動時にくいしばったり、重たいものを持つときにかみしめたり、イライラした時にかみしめたり、パソコン スマホをしている時に咬んでいたり、なにか作業 行動する時に自分の上下の歯が接触する。一方で うたた寝とか、高い枕で寝ている時など、首が前傾している時に結果 上下の歯が接触してしまう状態があったり、
日常生活の中で思いのほか歯に外傷力が加わることが多く見られます。
この力により歯周組織がダメージを受け壊れてしまうのです。ただこの力、個人の歯に加わる力を血液検査等のデータのように定量化出来ないので客観的に把握することが難しいです、咬む力も個人差があります(基本的には体重に比例する)いつ どんな時にどれだけの強さでどの位の時間かかっているかをモニターする事が出来ないため、実際には患者さんの生活をどれだけ詳しく把握できるかにかかっています。また口の中の所見から、歯茎の色、形の性状さらにレントゲン写真などからもある程度推測することは可能です。
本来健康な人は(あまりに漠然とした表現ですみません)普段自分の上下の歯は接触していなくて(安静位空隙)たまに必要にせまられてかみしめたり、食いしばったりしても、その状態は長く続く事はなく、歯に長時間かつ継続的に力がかかることはないのですが、様々な理由で普段から上下の歯が接触してしまっている人は、その状態が普通のためかみ続けてしまい休息する時間がなく、働きっぱなしということになります、人が睡眠を必要とするように歯も歯周組織も休息が必要です。歯周組織の構造を考えると歯、歯根と土台である顎の骨は直接くっついていなく、歯根膜という組織でつながっているので、この繊維をクッションの様なイメージを持っていただくと解りやすいかもしれません。力によってクッションが壊れ、それに伴い顎の骨も吸収してなくなり、歯が抜けてしまう ひとつの歯周病のパターンとなります。
 このように目に見えない力により、歯周組織が壊れて歯を失わないようにするには、自分がどのような状況で上下の歯の接触を生じているかを認識して、その接触時間を減らし、歯と歯周組織の負担を減らしていきたいですね。

吉川医療モール歯科