だいぶ以前から食習慣において、問題が指摘されてきました。

それはあまり回数咬まずに飲み込んでしまう傾向が多いようです。
特に子供などの若い世代において顕著で、咬まない為に顎の成長発育が不十分で、

歯列不正を招く結果になってしまっています。

咬む行為はとても大事であると言われていて、子供など若い世代には成長発育において必要で、

高齢者においてはボケ防止など脳刺激においてプラスである事も実証されています。
そこで咬むことは良いことになっているのですが、落とし穴があります。
“咬む”と一言で言っても、実は咬み方が大雑把に2通りあって、

すりつぶせる食物とそうでない食物を咬むのでは、全く違う咬み方(動き)になるのです。

 

咀嚼と言う言葉がありますが、咀嚼とは奥歯ですりつぶす事を指す言葉で、

よく咬みましょうと言うのは奥歯で回数多くすりつぶして咬む事を言うのですが、

すりつぶせない物を咬んでも咀嚼している事にならず、咬んでいる効果は得られないのです。

すりつぶせない物を咬む時の顎の動きは垂直的で(チョッパー)、奥歯へ垂直方向の力をかけてしまい、

それによって歯周組織を壊してしまうのです。
対して、お米や和食系のおかずなど、すりつぶせる物は顎の動きが斜め方向で(グラインダー)、

奥歯に垂直方向の力をかけないので歯周組織は壊れないのです。

 

本来、お米が主食の我々農耕民族である日本人の場合、牛・馬のように草食傾向であり、

すりつぶせる食材を奥歯で咀嚼することが適しており、パン・お肉か主食の狩猟民族である欧米人の様に

肉食傾向の民族とは咬み方、歯の使い方が全く異なる事を認識しなければなりません。

 

大事な事は、すりつぶせる物を回数多く咀嚼してあげる事で、すりつぶせない硬い物、

こしのある物は控えめにしなくてはなりません。
私の約30年の臨床経験の中で硬い物が好きでたくさん食べてきた人は、ほとんど入れ歯になっています。

吉川医療モール歯科