3月になると、6年前のあの日のことを思い出します。
金曜日の診療中、歯石除去をしていた私は体に揺れを感じ、いつもの地震だろうと手を止めましたが、

ゆっくり大きくお椀の中でかきまわされるような動きに、思わず!

患者さんと目を合わせて治療台を起こしていました。
そのあとは皆さんと同様、TVで恐ろしい現実を目の当たりにし、翌日まで職場にいることとなりました。

その時から“防災グッズ”を備えはじめた方も少なくないと思います。
水や食料品、救急セットやライトの類は基本セットです。
その中に、口腔ケアグッズも入っていますか?

被災生活が数日、数週間、数か月…に延びてくると、心身共にストレスをうけ、

免疫力がさがってきてしまいます。
『誤嚥性肺炎』という言葉をお聞きになったことはあるでしょうか?
食べたものや飲みもの、唾液が、食べものの通り道である《食道》にいかず、

空気の通り道である《気管》に入ってしまい、それらと一緒に細菌も入りこむことで肺に
炎症を起こしてしまう病気です。
実は、飲食した後のケア不足でこの病気にかかってしまった高齢の方も少なくないようです。
口腔ケアを行うことで細菌を減らせるだけでなく、唾液分泌も促進されることから、

 

やはり防災グッズにはぜひ口腔ケアグッズも追加してあげてください。

いざという時にあると便利なものです。
ガーゼやスポンジブラシは、唾液の少なくなった高齢の方の頬内側をぬぐうことで汚れを除去し、

刺激することで唾液を出す効果もあります。
小さめのゴミ袋は、水を入れることもできるのでコップ代わりにもなります。
折りたたみ式鏡は、鏡の面が内側にむくことで破損防止になりますし、置いて使用できます。
ぜひ今一度、バックの中を点検してみましょう。

歯科衛生士 野口

吉川医療モール歯科