\ 歯科衛生士のおはなし /

“ 手先がうまく動かなくなった 言葉が出てこない 

むせるようになった など

それ,もしかしたら

体幹が衰えてきたのかもしれませんよ? ”

体幹とは読んで字のごとく、

体の幹【股関節から上へ向かって、腰椎5個 胸椎12個 頚椎7個】のことです。

 体の芯になる部分がしっかり安定していることで、

外側の附属部分の様々な

動きができるようになります。

 体を固定している能力が高いことで、

末梢の細かい運動ができるのです。

例えば、固定能力が動かない時に、

ち密な動きができる。

お行儀よく座って(地に足をつける 正座をする)

背中をまっすぐにして左手を

机上に沿えないと、右手は器用に作業することができません。

ちゃんと座らないと、お箸は上手に持てません。

横座りだったり、あぐらだったり、

体幹が不安定になる姿勢は、

大脳皮質・脳幹―脊髄に正しい情報が伝わりづらくなるため、

結果、咀嚼もできなくなります。

 実は、皆が無意識に行っている『呼吸』ですら

体幹が弱くなっていくために影響を受けることになります。

血中酸素濃度が少なくなると頭が

ボーっとすることはご存知の通りです。

毎日の呼吸が自覚なく弱くなっていったら、

それを日々過ごしていることで、

集中力がなくなる・気力がなくなる・・・

では、体幹を支えている代表的な筋肉は何でしょう?

   腹筋です!!!

腹筋が弱くなることで、

背中が丸まる→胸郭(きょうかく)が下がるので

肺胞(はいほう)が小さくなる→

息をためる量が少なくなるので苦しくて顔が上がる→

舌が奥に下がって喉が開く→

唾液や食べ物飲み物を喉にとどめておけなくて、むせる

マラソンランナーが苦しくなってくると

顎が上がってくるイメージです。

生まれた頃は皆、腹筋はありませんでした。

人は重力と共存していくために腹筋がないと

苦しい人生になってしまいます。

では、どのようにして腹筋を獲得していくのでしょう?

それは、最初に『泣くこと』から始まります。

赤ちゃんは、泣いて・寝て・飲んでが基本です。

特に生後1~3ヵ月は絶対にこれを犯してはなりません。

赤ちゃんは、心地よいか 心地よくないかの2択で泣くようなので、

この1~3ヶ月は母乳を乳首から飲ませて、

下に寝かせて、沢山泣かせる。

置くと泣くので何か悪いことしている気持になるかもしれませんが、

泣いて泣いて腹筋をつけていくことで、

くたくたの背骨を支える準備をしていきます。

赤ちゃんは泣いてしか腹筋を育てられず、

脊柱をまっすぐにしていけないのです。

そのあとも、あくまでも成長準備期初めなので、

重力を感じさせることは禁忌です。

赤ちゃんを起こしたら重力に負けて体幹は壊れていきます。

表情を見てみると起こすと顔はひきつります。

寝かして、上から覗き込むようにあやすと自然に笑い、

目で動くものを追います。

たて抱き、ゆさぶり等は好ましくなく、

骨・特に首の骨が正常に発育できません。

その後も、18年かけて首を座らせていくイメージになります。

怖いことに、歯(し)突起(とっき) とよばれる

首の骨が折れてしまいそのまま成長する子も

近年では少なくありません。

折れた方向へ成長しながら重力と生活するので、

頚椎は大変な壊れ方を余儀なくされます。

人の骨は18才まで育ち続けます。

正しく〖正常なハイハイ姿勢は股関節が閉じて、

骨盤に対してヒザを進行方向に振り出すことが可能であり、

安定した股関節を基礎に安定した体幹を作ります〗

育てていくことで、強い腹筋が備わっていきます。

 では、成長期を過ぎてしまったらどうしたらよいのでしょう?

腹筋が低下していくと、

まっすぐ座っていられない

よりかかる

背中が丸くなる等

…結果、呼吸が浅くなる。

身長の半分の歩幅で、振り子のように両腕を振って歩く。

大股で歩くことで、片足が宙に浮いているとき

残っている足が踏ん張ることで腹筋背筋を使っています。

 その結果、美しく静止していられる姿勢を保持できるのです。

自分の体は自分で守る!ことができるように、過ごして生きたいですね!

歯科衛生士 野口

吉川医療モール歯科