\ 歯科衛生士のおはなし /

食事の時間以外で歯を合わせたらいけません

『歯を磨いても磨けていても、歯や根はムシバになることもありますし、

顎の骨を吸収する歯周病にもなっていくことがあります』

と私達は来院された患者さんに説明を始めます。

一般的なおはなしをして、更に詳しく個々のデータを元に診断しています。

その一つのデータは、“レントゲン”です。

誰一つとして同じデータはなく、各々の“原因”と“結果”が表れます。

親子や兄弟等で似たデータはありますが、それは母体(母集団)として同じような生活

リズムを過ごした結果と、歯の大きさ根の長さは遺伝するためです。

強い力で咬みしめることが多かったり、弱い力でも咬んでいる時間が長いと、

それは歯を沈め、やがて顎の骨の形も変形してきます。

力のかかっている歯根の周りの骨はおされている方向に吸収したり(歯周病)、

咬みしめることで咬筋とつながっているエラ部分の骨が張ってきたり、顎関節の頭の部分が変わってきたり。

これらは骨の成長期約18歳までには大きく影響してきますが、

実は、原因が加われば何歳になっても歯や顎の骨は変化し続けます。

また、上下の歯と歯が合わさる合計時間が長いと隣り合っている歯と歯の間がきつくなり、

歯と歯の間には穴が開いてきます。

その穴に歯垢が入ることで、虫歯が拡大していくのです。

一度治療した歯の詰め物が取れてくる、詰め物が取れたからやり直して新しく作り直すために削る、

を繰り返すとやがて神経を取らないといけなくなり、かぶせてもそれが取れるとまた削ってかぶせたり、

最悪根にヒビが入ったり大きく折れたりして抜歯することになり、ブリッジや入れ歯になっていく。

これらは歯磨き不足が原因ではなくて、余計な歯が合わさるために引き起こされる

“力”なのです。

では、1日3食の時間を入れて、どの位の時間の負荷までが

病気にならないのでしょうか?

答えは、30分程度です。この時間には問題ないように人の身体は造られています。

えっ?そうなのですか? と、患者さんは反応してくれます。

食事のときは、食べ物が上下の歯の間に介在するのでそれが細かくなってきて、

最終的に磨り潰す動きになったとき、上下の歯が、直接、合わさります。

その働きのために、歯や顎の骨は存在します。

ですから、

①グループ;枕をして寝る時、ふかふかの寝具で寝ている時、長時間同じ姿勢でいることが多い習慣、

パソコンをする机とイスの高さが身体に合っていない姿勢、スマホを見ている時間が長い習慣、

寝転がりながら又はイスに浅く座って寄りかかりテレビを見たり本を読む時、編み物や縫い物をしている時、

電車やソファなどでうたた寝をしている時、歩く量が最高に歩行していた時期と比べて減少した など

②グループ;重いものを持つことがある、筋トレをする、

硬い食べ物やコシのある食べ物を好んで食べる

(ガムやグミ、スルメやジャーキー、ドライフルーツやナッツ類、グラノーラや○ンなど)

不規則な生活、甘いものが好きで毎日食べる、精神的ストレスが多い、過去に事故歴がある など

これらの何気ない習慣が、歯を噛み合わせるきっかけを作り、

やがて自分が噛んでいることも無意識に無自覚になり、鈍感になって、

歯周病を作っていき、レントゲンでも読み取れるようになっていきます。

みなさん、歯周病だけでなくこれらの習慣は様々な病気につながっていきます。

脳梗塞やくも膜下出血、心臓や内科疾患、坐骨神経痛や股関節への負担、頭痛や肩こり…

身体は全部つながっていますよ

何が先で何が後なのか、原因と結果で治療方法やアプローチが変わってきます。

習慣を見直すことができれば、お医者さんにはそれを評価してもらう

“定期健診”にだけいらっしゃれば良いですね。理想です。

正しくは、唇を閉じて上下の歯は2~3mmすいている

①グループは、自分のとっている姿勢で噛んでいる

②グループは、自分の筋力で噛んでいる

歯科衛生士 野口

吉川医療モール歯科