\ 院長の独り言 /

 

食習慣が脳機能に与える影響

2025年12月

 

日常生活で様々な習慣がある中で、すべての習慣が肉体、精神に与える効果や影響があります。以前より師匠の教えに、硬い食品を習慣的に摂取することはよくない事であると指導を受けていて、身近でわかり易いケースとして、硬いものを好んで食べている方は皆、入れ歯になっています(少数の例外も認めますが)。 乱暴な見方をすれば、歯を失って、入れ歯になろうが、好きな硬いものを食べ続けるっていう人も、当然いるでしょう(入れ歯になれば 同じようには食べられなくなりますが)。ただ 10年くらい前から、どうしても歯科治療だけでは、治癒に導くことが困難な、さらに、治癒した状態を長く維持することが困難な症例が散見されるようになって、どうしてこういう状態に至ったかを診断していくと、人が生まれる 誕生までさかのぼり、そのスタートからの発育 育児に目を向けざるをえなかった経緯があるようです。

以前から正しい発育、育児に少し触れてきましたが、いかに正しく体を動かせるか、正しい順番で段階をふんで動かし筋肉を収縮せせることで、骨の発育を促し、骨格形成をしていく。生後 最初の動きとして、授乳と平らに寝かされた乳児の自発的な手足をバタバタさせる動きがスタートで、授乳において、母乳で正しい舌と口唇の動が獲得できるのに対して、哺乳瓶の使用により、正しく舌や口唇が動かなかったり、おくるみや抱っことか、うつ伏せだったり、赤ちゃんが泣き止むからとか、おとなしくなるからとか、の理由で誤った行為をしてしまったり、硬いものや、コシのあるものを習慣的に摂取してしまう、さらに 様々な育児グッズの使用により正しく体を動かせない。結果正しく成長 発育に導けない子供が激増している現状があります。また、日頃のインドアな生活(ゲーム、スマホ等)で体も発育不全になってしまう。

昨今 発達障害という言葉をよく耳にしますが、師匠いわく、後天的な発育障害がかなり多く、そこからの発達障害に移行してしまうのではないかと、元来 脊椎動物にはCPG(central pattern generator)という 中枢パターン生成器という回路が存在していて、無意識に歩行、呼吸、顔の表情といった反復的な運動において、重要な役割をはたしているらしいのですが、誤った育児方法において、このCPGが働かなくなってしまうらしく、このCPGが正しく機能しないと、脳がビジーな状態に陥り、脳自体が十分な機能を発揮出来ずに様々な機能障害を生んでしまうという恐ろしいことになります。本来、呼吸とか歩行とか咀嚼とかは無意識下で自然にスムーズに行われるものであって、当然のことながら考えて行うべきものではありませんCPGが機能しないと、それらのことさえも 頭を使ってしまうために、本来働かなければならない事柄について脳の働きが悪くなるみたいです。

実は誤った食習慣において、舌の位置や舌骨という骨があるのですが、その位置や、頭の位置 角度首の角度が正しくない事でCPGが正しく機能出来ない事がどれだけ、深刻な問題であることを認識しないといけないと感じている次第です。
食習慣は好き嫌いもある為に、当然 強制できるものではありませんが、それがもし、脳機能にも悪影響を与えてしまうのであれば。リスクを考慮して、少なくとも脳が正常に機能出来るように、お行儀よい食習慣で脳が正常に機能できるようにしたいですね。

吉川医療モール歯科