\ 院長の独り言 /

そこの場所だけ治療して下さい。

 

患者さんから「その歯だけ治療して下さい」や「今 痛みがある歯だけ治療して下さい」と言われることがあります。当然「わかりました」と受け入れ治療をするわけですが、様々なケースがあります。例えば「前歯が取れてしまったので、つけて下さい」と言われて、お口の中を拝見すると、奥歯がなかったり、また上の奥歯が1本もなかったり、下の奥歯が1本もなかったりすると、「つけてもすぐ取れてしまう可能性が高いと思いますよ」と伝えます。

そもそも、前歯が壊れてきてしまう時はほぼほぼ奥歯に原因があることが多く、それこそ奥歯がない、痛い奥歯がある、欠損後に奥歯に入れ歯が入っていない、など奥歯が働いてくれていないために、前歯が壊れてくるのです

なので奥歯を作って、噛める状態にして、前歯を作ることが基本です

食事をしなければまだ、壊れるリスクを減らせるかもしれませんが、食べない人っていませんよね?

 

以前にも書いたかもしれませんが、お口の中の歯は1本1本が単独で働いていないのです。下の顎に埋まっている歯全部が、上の顎に埋まっている歯全部にぶつかって、砕いたり、ちぎったり、すりつぶしたりしているので、極端な話、上下どちらかの歯が全部なかったら、食べれませんよね。歯ぐきで食べるという人もいるかもしれませんが、様々な食材を砕いたり、ちぎったり、すりつぶす事は出来ないと思います。

お口の中の歯は上下14本ずつ計28本あります。例えば、そのうちの1本だけ虫歯になってしまい、残りの27本は虫歯にはなっていなかったら、その1本だけ治療すればよいわけですが、虫歯が複数本あったり、欠損して歯がない場所があったり、入れ歯が入っていなかったり、入れ歯があっても十分に不自由なく使えていなかったりすると、それが理由で他の歯が傷んできたりします。そのため、今 痛みがある歯が 何で傷んでいるのか?を診査する必要があります。さらに、傷んでいる歯に原因がない場合も多々あるわけです。

大事なことは、痛みがあるなしではなく、無意識に不自由なく何でも食べることが出来て、話をすることも出来るし、スムーズに飲み込むことが出来る状態でいる事です

さらに 意識をして左右の歯を両方使おう、バランスよく噛もう、などは考えることなく

自然に食事をして下さい

 

口の中に限ったことではありませんが、どこかをかばう事自体がNGだろうと思います。

かばうことで、他の場所に 悪影響が生じる事でしょう。

吉川医療モール歯科